4回目の「要援護者の安否確認」訓練・高齢化進展の中、要援護者把握の次のステップを検討中
緑園6丁目(横浜市泉区)では12月5日(土)、災害時要援護者の安否確認訓練が行われた。
「いかがですか」と、この機会に状況伺い
当自治会では、登録されている災害時要援護者は約90名。一方、要援護者を担当する支援者は145名。1要援護者に対し複数の支援者が担当することとなっており、当日「支援者腕章」をつけた支援者が同じ要援護者を担当する支援者とともに、担当の要援護者宅を訪問、本人または家族と面会、要援護者の状況を確認して回っていた。
当自治会では、平成22年8月から「地域支え合いの取り組み」として災害時要援護者対策の検討を進め、平成23年1月から具体的取組みを始めた。そして要援護者、支援者の「手上げ方式」による募集、相互の関連づけ等を行ってきた。「いざという時」に備え、相互の顔合わせを行い「地域防災力の向上」を図ることを目指し、4回目の「災害時要援護者の安否確認」を行った。
午前9時、首都直下型地震(マグニチュード7.3)が発生、泉区でも震度6弱の揺れ。区内では家屋倒壊、道路陥没、ライフライン寸断等の被害が出ているという想定。在宅の各支援者は自分、家族の安全を確認後、9時30分から11時までに、担当するする要援護者の安否確認を協力して実施し、担当役員に報告、自治会としてそれを集計、安否未確認の確認、という流れで行われた。
災害は、いつ起こるかわからないことから要援護者、支援者とも、この訓練のために当日の予定を変更せず、自然の状態で当日を迎えることとしていた。そのため要援護者の中にはデイサービスに行っているとか、支援者もいろいろな用事で外出している人もいた。そのため、支援者の40%の人は安否確認に参加できなかったため、1要援護者に複数の支援者を割り付けているが、安否確認ができなかった要援護者数は15%弱となった。
「黄色い布」が、大丈夫の印
実際の災害時には、このままという訳にはいかないことから、昨年から安否確認ができなかった要援護者に対し、役員が分担して、当日午後、第二次の安否確認を行うこととしており、今年は5%弱に絞り込めた。すべて、外出して留守ということだった。この点も、災害時には、不明者ゼロになるまで確認が続けられることになるが。
今回の訓練で、都市型の住宅街としての懸案であった支援者同士、担当要援護者との顔合わせ等が一歩前進した。 車いす生活者、酸素吸入器常時使用者、歩行困難者、認知症者、その他障がい者などの存在も再確認した。一方、高齢化の進行とともに、支援者の方も、いつまで続けられるか、要援護の容態も、さらに進行している、などが報告されていた。
当自治会の高齢化率は、平成22年3月には20.2%であったが、平成27年3月には28.8%と、5年間で8.6%増加、今年度末の平成28年3月には30%にも、と言われている。当自治会では、災害時に本人や家族だけでは対応に不安を感じる人を要援護者として登録するという「手上げ方式」を採用している。したがって、手を上げない人は把握できないことから、行政が進めている「情報共有方式」について検討しているが、近所同士の助け合いで進めるべきとの意見もあり、まだ採用に至っていない。
画像・文:T.Ejiri